自由英作文は、英語の勉強の中でも最もハイレベルな領域です。旧帝大をはじめとする難関大学の入試や、英検2級・準1級のライティングで出題されるため、避けて通れない人も多いでしょう。
でも、安心してください。正しい手順で対策すれば、ちゃんと書けるようになります。
今回は、自由英作文の勉強をどう進めればいいか、特に「多くの人がやりがちな失敗」に焦点を当ててお話しします。
前提:まずは英作文の対策を済ませてから
自由英作文に取り組む前に、通常の英作文(和文英訳)がある程度できるようになっている必要があります。文法・語彙・構文の土台がないまま自由英作文に進んでも、「言いたいことはあるけど英語にできない」という状態になるだけです。
英作文の勉強法については別の記事でまとめていますので、まだ不安な人はそちらから読んでみてください。
▶ 英作文の勉強法──「書けない」から抜け出すための対策と手順自由英作文で求められている力とは?
ここを勘違いしている人が非常に多いです。
自由英作文で問われているのは、「英語で自分の考えを伝える力」 です。日本語を英語に変換する翻訳力ではありません。それは通常の英作文(ライティング)の話です。
自由英作文では、英語力に加えて、話の構成力や説得力も同時に見られています。つまり、「何を書くか」と「どう書くか」の両方が採点の対象になるということです。
実は超大事なこと:英語の作文には「マナー」がある
これは英語の長文読解にも通じる話ですが、英語の作文には明確なフォーマット、いわば「マナー」があります。
日本語の作文って、学校で習うときは「とにかく何かを書けば正解」みたいな雰囲気がありませんでしたか? 思ったことを素直に書きましょう、と。でも英語は違います。「正しいフォーマットに従って書く」のが英語の作文 です。
英語圏の人たちは、このマナーを子供の頃から徹底的に叩き込まれています。つまり、自由英作文で書く文章は、そうした英語圏の人が読んで「ちゃんとした文章だな」と納得できる構成でなければいけないということです。
自由英作文の対策:まずは構成のマナーを身につけよう
英語の作文における基本的な構成は、次の3つです。
① 最初に結論を述べる
自分の立場や意見を、冒頭ではっきり示します。「私は〜に賛成だ/反対だ」「〜すべきだと考える」のように、読み手が最初に論点を把握できるようにしましょう。
② 真ん中で根拠や具体例を示す
結論を支える理由を述べます。ここが自由英作文の核であり、最も差がつく部分です(詳しくは後述します)。
③ 最後に、自分の意見をさらにメタ的に述べる
ここが意外と見落とされがちです。単に結論を繰り返すのではなく、視点を一段上げて締めくくります。たとえば「こうした理由から〜であり、今後〜という観点からも重要だと考える」のように、議論を発展させる形で終わるのが理想です。
この3番目を習わないまま本番を迎える人が多いので、注意してください。
よくある失敗例:一見よさそうでダメな文章
たとえば「制服の是非」というテーマで、こんな構成を考えたとします。
① 私は制服には反対だ。
② 自由な服のほうが楽だ。個性の表現にもなる。
③ だから私は制服には反対だ。
パッと見、構成は守れているように見えますよね。結論→理由→まとめ、の形です。でも、これは入試や英検では高い評価をもらえません。問題は②と③にあります。
真ん中に書くべきは「感想」ではない
「自由な服のほうが楽だ」「個性の表現だ」──これらは感想であって、根拠でも具体例でもありません。主観的すぎるのです。
入試や英検のライティングで求められているのは、読み手を説得できる根拠です。たとえば、「服装の自由が自主性の尊重につながり、それによって生徒の主体性が育まれるという研究がある」とか、「制服のコストが家計に与える負担を考えると、私服のほうが経済的に合理的である」とか。こうした客観的な視点を入れることで、文章に厚みが出ます。
「楽だから」「個性だから」で終わってしまうと、どれだけ英語が正確でも内容点で大きく削られてしまいます。
もうひとつ、真ん中の書き方で注意してほしいことがあります。むやみに First, Second, ... と根拠を並べないでください。
もちろん語数に余裕があるなら複数の根拠を挙げるのは有効です。でも、60〜80語程度の自由英作文で無理に First, Second を入れると、Second のほうがどうしても薄くなりがちです。取ってつけたような Second なら、ないほうがマシです。
語数が限られているなら、根拠は1つに絞って深掘りしたほうがいい。「なぜそう言えるのか」「具体的にはどういうことか」と掘り下げていくほうが、中身の濃い文章になります。
最後の段落で同じ表現を繰り返してはいけない
先ほどの例の③「だから私は制服には反対だ」。これは①とまったく同じ表現の繰り返しです。同じ表現のリピートが許されるのは、正直なところ中学生や英検3級くらいまでです。大学入試や英検2級以上では、限られた語数の中で同じことを同じ言い方で2回書く余裕はありません。内容点で大幅に削られます。
ただし、自分の立場を最後にもう一度示すこと自体は問題ありません。大事なのは表現を変えることです。段階を整理すると、こうなります。
- 同じ表現でリピート → アウト。 「制服に反対だ」→「だから制服に反対だ」は最悪です。
- 言い換えて再提示 → セーフ。 「制服に反対だ」→「生徒が自分で服装を選べる環境のほうが望ましい」なら、同じ立場を示しつつ表現が変わっているのでOKです。
- 視点を広げて締めくくる → 理想。 たとえば「個人の自由を尊重する姿勢は、制服の問題に限らず、教育全体に求められるものだ」とか、「均質ばかりを求める教育は、もう時代にそぐわないのだ」とか。こうやって、制服という個別の話題から一歩引いて、より大きな文脈に自分の意見を位置づける。これが「メタ的に述べる」ということです。
入試で高得点を狙うなら、3つ目を目指してください。
実際に書くとこうなる──制服反対の作文例
ここまでの内容を踏まえて、制服反対の立場で実際に書いてみましょう。まず日本語で構成を整理します。
- 結論: 学校は制服を廃止すべきだと考える。
- 根拠: 服装を自分で選ぶことで、自主性や自己表現の力が育まれる。日々の小さな判断の積み重ねが、生徒の主体性を伸ばす。
- 締め(メタ): 画一性を重視する教育のあり方自体を見直す時期に来ている。
これを英語にすると、たとえば次のようになります。
I believe that schools should abolish uniforms. Choosing what to wear every day encourages students to develop independence and self-expression. Making small decisions on their own helps them learn to think for themselves. This is an important skill not only in school but also in their future lives. It is time to reconsider an education system that values uniformity rather than individuality.
最初のダメな例と比べてみてください。構成が変わるだけで、文章の説得力がまったく違うのがわかると思います。
自由英作文こそ、添削が絶対に必要
最後に、これだけは強調させてください。
自由英作文は、必ず先生の添削を受けてください。通常の英作文以上に、一人での勉強には限界があります。
特に、真ん中の根拠と最後のまとめは、自分だけではなかなかいいものが思いつきません。思いついたとしても、それを英語でどう書けばいいかがわからない。この「考える→書く→直してもらう」のサイクルを回せるかどうかが、自由英作文の力を伸ばせるかどうかの分かれ目です。
経験のある先生の力を借りてください。自由英作文は、独学では本当に伸びにくい分野です。逆に言えば、正しい指導を受ければ確実に伸びます。