大学入試や英検2級・準1級のライティング対策として、英作文の勉強に取り組もうとしている人は多いと思います。でも、なんとなく後回しにしていませんか?

「単語も文法もまだ不安だし……」と思って手をつけないまま、気づけば受験直前。そうならないために、今回は英作文の勉強をどう進めればいいのか、塾講師の立場から順番を追ってお話しします。

まず知っておいてほしいこと:英作文は「上位の勉強」

英作文の勉強は、英語学習の中では割と上位に位置します。大学入試の二次試験や英検のライティングで求められる力であり、ある程度の土台がないと、そもそも取り組んでも効果が薄いです。

具体的には、以下の力が前提になります。

  • 単語帳の1000語くらいは頭に入っていること
  • 接続詞と関係詞をそれなりに使いこなせること

この2つがまだ怪しいなら、英作文に入るのは少し早いかもしれません。焦らず、まずは土台を固めましょう。

英作文対策の土台──まだの人はここから

英文法の勉強が先です。全部やる必要はありませんが、特に優先してほしいのは次の2つです。

① 従属接続詞と関係詞

英作文では「節」を使いこなす力がとても重要です。たとえば「〜するとき」「〜だから」「〜する人」といった表現は、すべて節で書きます。ここがあやふやなままだと、英作文はまず書けません。最優先で固めてください。

② 不定詞・動名詞・分詞(準動詞)

これらを使えるようになると、表現の幅が一気に広がります。構文として問われることも多いので、英作文だけでなく読解にも効いてきます。

文法がわかってきたら、ライティング練習へ

定期テストレベルなら対応できる、問題集もそこそこ解ける。そういう段階まで来たら、いよいよ入試や英検を見据えたライティング練習に入りましょう。

ただし、ここで一つ大事なことがあります。

単元に縛られないでください。

文法の勉強では「不定詞の単元」「関係詞の単元」と分かれていますが、英作文はそうではありません。「この問題は不定詞で書くんだ」と最初から決めつけず、他の表現方法がないかを常に考える。その姿勢が、英作文の力を伸ばします。

英作文の勉強で一番大事なこと:添削を受ける

ここが今日一番伝えたいことです。

英作文は、絶対に先生の添削を受けてください。自分一人で「合ってるかな?」と考えても、正直、判断がつきません。模範解答と違う=間違い、というわけでもないので、なおさらです。

特に次のような点は、自分ではなかなか気づけません。

  • 時制や冠詞のミス
  • コロケーション(その動詞と名詞の組み合わせ、本当に自然?)
  • もっと良い表現はないか
  • もっと適切な構文・文構造はないか

具体例を出します

たとえば「車があればどこでも行ける」を英訳するとしましょう。

多くの人がまず書くのは、こんな英文だと思います。

I can go anywhere with my car.

パッと見、悪くなさそうですよね。文法的にも間違ってはいません。でも、本当にこれがベストでしょうか? 実は、この一文だけでもいろいろなことを考える必要があります。

まず、主語の問題。

この文の主語は "I" ですが、「車があれば誰でもどこでも行ける」という一般論を言いたいなら、主語が "I" では不自然です。一般論なら、たとえばこう書けます。

Cars enable people to go anywhere.

「車というものが人をどこへでも行けるようにしてくれる」という意味です。主語を "Cars" にして enable(可能にする)を使うことで、個人の話ではなく一般的な事実として述べられます。あるいは、もっとシンプルに無生物主語を使って、

A car allows you to go anywhere.

と書くこともできます。「車があれば(あなたは)どこへでも行ける」というニュアンスですね。

次に、"with my car" の問題。

"with my car" は「車を持った状態で」という意味合いで、実は少し不自然です。「車で(乗って)どこでも行ける」と言いたいなら "in my car" のほうが自然な英語になります。

I can go anywhere in my car.

ただ、そもそも「車があれば」という条件を表したいなら、前置詞句ではなく if 節を使うほうが素直です。

If you have a car, you can go anywhere.

条件を if 節で明示するだけで、ぐっと自然な英文になります。

さらに、文脈の問題。

もし次の文が「でも持ってないんだよな」だったらどうでしょう? それなら「実際には持っていない」わけですから、仮定法を使ったほうが適切です。

If I had a car, I could go anywhere.

同じ日本語でも、文脈が変われば英文はまったく違うものになります。

ここまでをまとめると、こうなります。

英文 どんなときに使うか
I can go anywhere in my car. 自分の車で行ける、という事実を述べるとき
Cars enable people to go anywhere. 車の利便性を一般論として述べるとき
A car allows you to go anywhere. 一般的に「車があれば」と言いたいとき
If you have a car, you can go anywhere. 条件として「もし車があれば」と言いたいとき
If I had a car, I could go anywhere. 実際には持っていない場合(仮定法)

たった一つの日本語文に対して、これだけの選択肢があります。そして、どれを選ぶべきかは文脈や伝えたい意図によって変わります。

こういう判断は、一人で勉強していると絶対に出てきません。だからこそ、添削が必要なんです。

添削は「経験のある先生」に──AIだけでは対策にならない

英作文の添削は、英語の指導経験が豊富な先生にお願いするのがベストです。正直なところ、経験が浅いと先生でも難しいことがあります。

そして、もう一つ。安易にChatGPTなどのAIに頼るのは、あまりおすすめしません。

理由は明確です。

  • 大学入試や英検2級・準1級で求められるレベルの英文にならないことが多い
  • 「正しい文法」を教えてくれるだけで、その先の勉強の方向性がわからない
  • つまり、次につながらない。点数が上がらない

答えが「わかった」のではなく、ただ「知った」だけ。それでは勉強として何も進んでいません。

添削は、あなたの弱点を見つけて「次に何をすればいいか」まで示してくれる人に受けましょう。それが、英作文の力を本当に伸ばす近道です。